森に人は集う―新年度にあたって
このほど、ふみの森もてぎ図書館は平成30年度「子供の読書活動優秀実践図書館」に選ばれ、「子ども読書の日」の4月23日に文部科学大臣表彰を受けることになりました。この表彰は、平成13年公布の「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づく国の事業の一環として、平成14年から続けられているものです。開館から2年足らずの当館が栄に浴すことになり、望外の喜びです。
公共図書館にとって子どもへのサービスは重点事業のひとつです。当館も、子ども向けのスペースと資料の充実に力を注ぐとともに、おはなし会・工作会などの催し、ブックスタート、保育園の団体利用、学校図書室の支援等に取り組んできました。この辺りが今回の評価につながったものと思われますが、それには前身のまちかど図書館時代から積み重ねてきた実績と、ボランティア組織・こだまの会の皆さんの活動が、あずかって大いに力になったことを忘れてはなりません。これからも表彰に恥じない図書館を創っていきたいと思っています。
子どもや親子連れが訪れるのは主に図書館内の子ども図書室・ゆずもんちと交流広場あすなろ2ですが、そのほかにも町の内外から多くの方々がふみの森もてぎにそれぞれの目的をもって来館しています。3つのギャラリーのさまざまな展示を鑑賞する人、交流広場あすなろ1の集会やサークル活動に参加する人、カフェで寛ぎ談笑する人、図書館では、学習の場を求める児童や中高生、読書室で静かに本を読む人、雑誌や新聞を手にとる人、歴史資料展示室の資料に見入る人、そしてもちろん本やCD・DVDを借りる人……。当館が図書館だけにとどまらない複合文化施設であることが、たくさんの人々の集まりと交流をある程度実現しているといっていいでしょう。
茂木町は人口規模でいえば約12,500人の小さな自治体です。全国の町村の例に漏れず人口の減少が続いています。その市街地の中心に創設されたふみの森もてぎには、大きな使命としてまちなかににぎわいをもたらすことが求められています。一昨年7月の開館から今年3月末まで1年9か月の総入館者数は187,580人、この数字がにぎわいといえるかどうか即断はできませんが、つねに人の集う場所としてふみの森が機能してきたことはたしかです。足かけ3年目となる今年度、訪れる人がさらに喜びや安らぎを感じられる施設となるよう努力を続けたいと思います。