ふみの森もてぎ叢書第2集「精選 ふるさとの詩歌 日本〈文芸・歌謡〉詞華集」を刊行しました。「ふるさと」を重要なテーマとしているふみの森もてぎ。第2集は、『古事記』『万葉集』などの昔の歌から近代の文芸や歌謡に至るまでのたくさんの詩歌の中から「ふるさと」に関する作品を選び、1冊の本にまとめたものです。

この本は、前館長を中心にふみの森もてぎ図書館の蔵書を資源として、そこから図書館の検索技法で作品を探し出し編集したものです。「図書館が受け身でなく主体的に発信することも図書館の役割の一つである」という前館長の言葉。受け継ぐ森人たちも、心に刻んでいかなければ…。       (森の番長)

森のめざめから2週間が過ぎた。しんと静まり返っていたふみの森が少しだけ明るくなった。利用者の方からも「始まってよかった」とお声をかけていただき、森人たちもうれしく、生き生きと仕事をしている。まもなく町民ギャラリーでの展示も始まり、皆様にまた違う角度で楽しんでいただける。

ふみの森もてぎは、開館当初からリアルを大切にしてきた。訪れた方は、本に触れ、手に取り、読みたい本を選ぶ。それを森人が手渡しで貸し出しをする。

今、新型コロナウイルス感染症予防対策で、テレワークやネット通販、無人レジなど人を介さないことが推奨されている。就活や大学の授業もネット上。パソコンの操作一つで、家にいながら品物が買える。リモートで会議や友人たちとの飲み会もできる。確かに便利だ。感染のリスクも減る。でも・・・。

ふみの森もネットで本の検索や予約ができる。でも・・・。リアルに触れて本を探したいときもあるだろう。そこに、新しい本との出会いや発見があるからだ。友人と一緒に杯をかたむけたいときもあるだろう。そこに、人と人との触れ合いがあるからだ。

ウイルス感染の不安の中、ICTの活用が増えてくることは間違いない。その中で、ふみの森もてぎは、ICTを上手に活用しながら、今まで大切にしてきたリアルも忘れずに進んでいこうと思う。(森の番人 改め 森の番長)

ふみの森もてぎの運営方針の一つに、「安全で快適な施設環境を整え、町民・利用者がくつろげる憩いの場となるとともに、さまざまな行事や催しを通じて人との出会いと交流を実現する。」とあります。平成28年の開館からまもなく4年。ふみの森はそんな施設に育ってきたと思います。木造の空間の中で、静かに読書をしている方もいるし、併設のカフェでコーヒーを飲みながら新聞や雑誌を読んでいる方もいます。ゆずもんちでは、お話会や工作づくりのイベントが開催され、のんびりと本を選んでいる親子の姿も見られます。ギャラリーでは、町内外の方の美術作品や書道などの展示を見て、作者さんとの交流の場にもなっていました。

今までは・・・

しかし、年明けからの新型コロナウィルス感染症拡大により、今までの対応ができずにいます。新しい生活様式にのっとったガイドラインに従い、マスクの着用をお願いしたり、カウンター前には間隔をあけた足形をはり、アクリル板越しの対応など森人たちもはがゆい思いでいっぱいです。今のところ、長時間の滞在もご遠慮いただいています。ウイルスは、人と人との距離やふれあいを遠ざけようとしているのかもしれません。でも、今までとは違った対応でも森人の気持ちは変わりません。皆さんに心から楽しんでいただける、ゆっくりとくつろいでいただけるふみの森でありたいと思っています。          (森の番人) 

2023年 (令和5年)
5月29日(月)
Weather
火~金 9:00~19:00
土日祝 9:00~18:00