立春を迎え日差しも春めいてきたような気がします。ふみの森のエントランスにもお雛様が飾られ、来館の皆様の目を和ませています。

 コロナ対応に明け暮れた令和2年度も年度末に近づいてきました。皆様に安全安心に利用していただけるよう、サービスの制限や各種対策をとってまいりました。もう少しこのような状態が続くと思われますが、ご利用の皆様にもどうぞご理解とご協力をお願いいたします。

 さて、このような状況ではありますが、令和3年に入り「ギャラリーふくろう」では大きな展示が続きました。年明け早々には「稲葉守彫刻展~天女、雲上の調べ」、1月末からは「大関隆晴写真展―陽光のプレリュード白鳥」の展示です。2回目の緊急事態宣言下ではありましたが、ふみの森は休館の対象ではなかったため、感染予防対策を行った上予定通り開催し、たくさんの方にご来場いただきました。

 彫刻展は、二紀展での受賞も果たしている彫刻家稲葉守氏の作品展。雲上で音楽を奏でる天女をイメージとした「天女十二楽坊シリーズ」など約20点が展示されました。なんと稲葉氏は、地元茂木中学校の校長先生でもあるのです。現職の校長先生の作品展ということで、ちょっとした話題にもなりました。前日の準備では、2m以上の作品が会場で次々と組み立てられ、本当にふみの森に天女が舞い降りてきたようでした。酒蔵の古材を再利用したこのギャラリーにぴったりの展示でした。

 続いての展示は、茂木町在住大関氏の写真展。茨城県古徳沼や福島県猪苗代湖での白鳥の写真約50点が並びました。会社勤めや農業の傍ら何十年も撮りためてきたという白鳥の一瞬一瞬の羽ばたき、光、水辺の様子などが切り取られた写真を見ているとその中に引き込まれていくようでした。大関氏の白鳥愛も感じられた写真展になりました。

 コロナ禍の中、気持ちが滅入ったり、不安を感じたり、心配したりすることなど多く、何かしらのストレスを感じる日常です。そんな時、バーチャルではないリアルなものに触れることの大切さ、心を癒すものとの出会いが必要なのではないかと二つの展示を見て感じました。       (森の番長)

 年明けの日曜日。閉館の音楽に促され、2階のキャレル席で帰り支度をしていた高校生がいました。「受験生?」と声をかけると、「そうです。もうすぐ、共通テストです」とのこと。今日、明日は「大学入学共通テスト」ですね。私の頃は「共通一次」でしたが、その後「センター試験」になり、今年は共通テスト最初の年。コロナ禍の中で学校の休校や、オンライン授業など受験生にとっては大変な一年だったと思います。ふみの森も年度当初には休館になり、開館後も学習室やキャレル席はしばらく使用禁止に。いつもなら、一生懸命勉強している高校生でにぎわっている夏休みもひっそりしていました。現在も、2時間の制限を設けての利用です。ごめんね。もっと利用したいよね。それでも、不平も言わず、時間を守り、まじめに勉強している高校生に明るい春が訪れることを願うばかりです。荷物を抱え、帰っていく後ろ姿に「がんばれ」と心の中でエールを送りました。       (森の番長)

 新年あけましておめでとうございます。今年もふみの森もてぎをどうぞよろしくお願いいたします。

 昨年は新型コロナウィルス感染症により、今までの生活がガラッと変わってしまった年でした。ふみの森もてぎでも入り口には消毒液、図書カウンターにはアクリル板を設置、換気のために窓を少し開放するなど、皆様にはご不便をおかけしていることと思います。  

 そのような中でも、本を借りにまた展示を見にたくさんの方が来館してくださりありがたいことです。森人たちも資料やカウンター等の消毒を日課とし、日々感染対策に努めています。

 今年はふみの森もてぎ5周年を迎えます。皆様に愛される施設を目指し、森人一同力を合わせて進んでまいりたいと思います。        (森の番長)

2023年 (令和5年)
3月30日(木)
Weather
火~金 9:00~19:00
土日祝 9:00~18:00