読書週間に<文化>について考えてみました

毎年10月27日から11月9日までが読書週間となっています。1947年に始まり今年で70回を迎えました。第2回の1948年に文化の日が制定されてから、この日をはさむ2週間というかたちで現在に至っています。また、2005年には文字・活字文化振興法が制定され、読書週間初日の10月27日が文字・活字文化の日と定められています。 

「読書の秋」「芸術の秋」という言葉が広くつかわれ、これに「スポーツの秋」や「味覚の秋」も加えれば、秋たけなわのこの季節が常にもまして<文化>と強く結びついていることがわかります。ふみの森のギャラリーでも町の文化祭が開催されます。しかし普段特に意識することもなくつかっている<文化>とは一体何を意味するのか、少し立ち止まって考えてみたいと思います。 

辞書で「文化」を引くといくつかの意味がありますが、文化の日、文化祭などの「文化」は、語釈の一例を挙げれば「自然に対して、学問・芸術・道徳・宗教など、人間の精神の働きによってつくり出され、人間生活を高めてゆく上の新しい価値を生み出してゆくもの」(『日本国語大辞典』第2版)のことであり、英語の culture(カルチャー)に当たる言葉です。というと文化とは何やら難しくて気取ったもののようですが、そうではありません。現に生活文化や食文化という言葉もあるように、われわれ人間が歳月のなかで培(つちか)ってきた良きものは、すべて文化であるといえるでしょう。culture の語源が cultivate(耕す)であることもその意味でうなずけます。 

ふみの森の正式名称には「まちなか文化交流館」という前段があり、「ふみ」は文化の「文」も意味しています。ふみの森の大きな役割は茂木の歴史と文化を現在(いま)に伝えることであり、図書館はそれ自体が古今東西の人類文化の集積です。しかし繰り返しますが、文化は決して重苦しい、とっつきにくいものではありません。文芸、美術、音楽の例を出すまでもなく、文化はそれにふれてたのしいものです。たのしんで心が豊かになるものを文化といってもいいでしょう。ちなみに culture には「教養」の意味もあり、英語では文化=教養なのです。文化が気取ったものではないように、教養も鼻に掛けたり人にひけらかすものではありません。人間の知識や創造が外にあらわれたものが文化であり、個々人の内に定着したものが教養ではないでしょうか。 

文化を「軽チャー」などといったのは30年以上前のキャッチコピーですが、どうか心も軽くふみの森で「文化の秋」をおたのしみください。

2024年 (令和6年)
5月29日(水)
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