おにぎりと思い出が交錯する吉川英治(「母の掌の味」)、行方不明になった夫の奇怪な行動を妻が語る岡本綺堂(「鰻に呪われた男」)…。日本を代表する作家たちが描いた、食にまつわる作品集。短編・随筆28作を収録。

内容:腹のへった話 梅崎春生著. 朝御飯 林芙美子著. コーヒー哲学序説 寺田寅彦著. 母の掌の味 吉川英治著. 蠣フライ 菊池寛著. 餅 岡本かの子著. 牛鍋 森鷗外著. 山羊料理 山之口貘著. 鶫・鰒・鴨など 徳田秋声著. 川魚の記〈より〉 室生犀星著. 鰻に呪われた男 岡本綺堂著. わが工夫せるオジヤ 坂口安吾著. 銀座 永井荷風著. 味覚馬鹿 北大路魯山人著. 食通 太宰治著. 私の好きな夏の料理〈より〉. くだもの 正岡子規著. バナナは皮を食う 牧野富太郎著. 果物地獄 直木三十五著. ラムネ・他四編 萩原朔太郎著. 飲料のはなし 佐藤春夫著. 菓子 幸田露伴著. お菓子の大舞踏会 夢野久作著. しるこ 芥川龍之介著. 下司味礼讃 古川緑波著 ほか3編